【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】
一般社団法人全国心理技能振興会:認定心理カウンセラー:2011年から5000件以上(2025年現在)のカウンセリングを実施。愛着問題、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ、依存問題(恋愛依存、回避依存、共依存)や心の傷やトラウマ、親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。
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自分の弱さを知られたくない心理
「人に甘えられない…」
「甘え方が分からない…」
カウンセリングではこのようなお話が出てくることがあります。
ここでお伝えする甘えとは
例えば
・私の話を聞いてほしい
・出来ないことを手伝ってほしい
などの、情緒的な要求のことを指します。
人に甘えられない方の傾向として
普段は人に甘えられない分、恋人などの気を許せる相手にはつい甘え過ぎてしまう
もしくは・・
誰に対しても甘えられない
このように、甘えるか甘えないかの偏りがあったり
それと同時に他人に対して
<自分の弱い部分を見せられない>
という共通点もあります。
そうなると自分の弱い部分を見せない代わりに
人付き合いにおいては、自分の弱みを隠すかのように理想の自分や完璧な自分など…
周りに見せても大丈夫な自分で振る舞おうとするため
それを見ている周りからは、頼りにされたり、姉御肌のしっかり者のイメージを持たれやすかったりします。
ですが人に甘えられない悩みはあっても、自分の弱みを隠してる意識はなかったりするので
周りから見た自分を「自分らしさ」と思っている場合もあるんですね。
私のところに来られる方は、本当の自分じゃない、本当の自分って何だろう…
こうした違和感を感じている方が多く
人間関係(親子、恋愛も含む)では
「そんなに頼りにされても
私もいっぱいいっぱいなのに…」
「本当は私の方が甘えたいのに…」
「本当の私を分かってくれる人は誰も居ない…」
という思いから、孤独感を抱える方も多いんですよね。
でも実はこの部分、カウンセリングにも出てくることがあって
例えば・・
自分が本当に話したい本題にはなかなか入れないまま、時間だけが過ぎてしまう。
相手の問題が話の中心になり、自分のことは話さない。
など、悩む自分=弱い自分であるかのように、普段の思考癖が無意識に出てくることがあります。
でも誤解しないでほしいのは、それが良くないという話ではなく
長いこと繰り返されている
「強くなきゃいけない」思いが
人付き合いが上手くいかなかったり
自分の中の苦しさから解放されない原因の一つになっているなら、それは気づいておきたいよねって話なんです。
人に自分の弱みを知られたくない原因
ではなぜ、自分の弱みを知られたくないのか?
大抵の場合、幼少期の頃の親や養育者との関わりが関係しています。
「弱い自分を見せても大丈夫」
そう思える接し方、態度の中で育てられると、人は自分を肯定する力が身につきます。
よくある例で説明すると
子供の頃、お父さん、お母さんに自分の悩み(学校や友達など…)を話したときに
<強くなりなさい> という言葉をかけられたことで
「強くなきゃ生きれない」
「強い自分じゃないと認めてもらない」
そう無意識に捉えたことや
何かが出来なかったとき、失敗したときに、否定される言葉や厳しい言葉を言われ
「弱い自分はダメなんだ=強くないとダメなんだ」
そう無意識に捉えてしまうことがあります。
本当の自分とは、弱い部分がある自分も含めて自分のはずですが
自分という自己を育てるために必要な存在であった、お父さんやお母さんから
自分の弱い部分を見せても大丈夫という安心感を持つ経験がないと
自分自身までも、弱い部分を持った自分を許せなくなったり、受け容れられないという思いを抱えるようになります。
こうした思いは、年齢を重ねる毎にどんどん強化されていきますから、できるだけ早い段階で自分を見つめ直した方が、人生長いですから、すごく生きやすくなります。
その一歩として、自分が信頼できる人に話を聞いてもらうのもいいですし
心理カウンセラーに「自分という人間について語り」
その自分を共感してもらう経験や、受け容れてもらう経験を繰り返してみてください。
人は人を通じて、自分を見せても大丈夫という安心感を経験すると、自分でも自分の弱さを認められるようにいなります。
無理はしなくていいですが、自分の心の中だけでも、自分の弱い部分を少し許してあげられるようになるといいですよね。
編集後記
強い自分で生きてこられた方ほど、自分の弱さを認めるのはものすごく勇気のいることだと思います。
私自身も、結構なサバイバルな幼少期を経験しているため
強い自分以外の自分になることの怖さというか、抵抗というか・・・
なんかお気持ちが分かるんですよね。
だからこそ、より、そこから脱せた時の幸福感や安心感、人の暖かさみたいなものを経験して欲しい・・・
同じ思いを持つ方には、そんな勝手な願いを持ってしまいます。